授業中はうなずけるのに、テストになると説明が書けない。
その原因は「知識がない」よりも、抽象的な言葉を“なんとなく理解した気”になっていることが多いです。
そこで役に立つのが、たった一言——「例えば?」。
家庭教師の白井では、国語の読解・記述から、英語・数学・理科まで、学びの入口としてこの問いをよく使います。
具体化は「話を盛る」ことではありません
ここで言う具体化は、エピソードを足して話を派手にすることではありません。
抽象語を、実際の場面・行動・数字に落とし込んで確認する作業です。
「分かったつもり」を早めに見つけ、そこで止まらずに先へ進めるようにします。
以前の記事で紹介した「単純化(A・Bに置き換えて関係を見える化)」が、情報を整理して骨組みを作る技術だとしたら、
具体化は、その骨組みに血を通わせて“理解を固定する”技術です。
ふたつは対で使うと、学習がかなり安定します。
→ 「単純化」で、勉強の“情報量の壁”を越える
「例えば?」が強い理由:理解の解像度が一段上がる
抽象的な言葉(例:努力、自由、多様性、責任、効率…)は、便利なぶん、曖昧なままでも通ってしまいます。
でもテストは、曖昧さを許してくれません。
記述・説明・応用問題では、具体的な根拠や条件に合った例が必要になります。
だからこそ「例えば?」を挟みます。
例が出せるかどうかは、理解が“本物”かを判定する、いちばん素直な方法です。
例が出ないなら、そこはまだ入口です。焦らなくて大丈夫。入口が見えた時点で、前進です。
具体化の型① 「例えば?」は3種類ある(例・反例・境界)
「例えば?」と聞いて例を1つ出せたとしても、たまたま当たっただけのことがあります。
そこで、具体化を3点セットにします。
- 具体例:それに当てはまる例(“こういう場面”)
- 反例:当てはまらない例(“これは違う”)
- 境界例:どっちとも言えそうな例(“ここが曖昧”)
この3つが出せると、理解がグッと締まります。
とくに境界例は、国語の評論の「筆者の立場」や、理科の「条件の揃え方」、数学の「範囲・条件」の理解に効きます。
具体化の型② 「定義→例→言い換え」で、理解を固定する
具体化は、次の順番が一番安定します。
- 定義:それは何のこと?(一文で)
- 例:例えばどんな場面?(短く)
- 言い換え:別の言葉で言うと?(もう一度一文で)
言い換えを最後に置くのがポイントです。
例を出したあとに言い換えると、「例を出して終わり」にならず、抽象↔具体の往復が起きます。
小さなコツ:例は長くしない。20秒で言えるくらいがちょうどいいです。
例が長くなると、どこが要点か分からなくなります。要点は最後に一文で戻します。
家で使える「具体化テンプレ」(そのまま聞けます)
勉強中、親子で会話するときも、難しい指導は要りません。次の順で聞くだけで、理解の点検になります。
- それって何?(一文で言える?)
- 例えば?(短い例を1つ)
- それは違う、は?(反例を1つ)
- どこまでOK?(境界を考える)
うまく答えられないときは、責めるより「一緒に作ろう」で十分です。
例を“探す作業”そのものが、理解を深めるトレーニングになります。
完成見本:抽象語「多様性」を“テストで使える理解”にする
ここでは例として、評論文でも出やすい「多様性」を具体化してみます。
もちろん、他の言葉でも同じ型でできます。
1)定義:多様性=人の考え方・背景・得意不得意などが「一つではない」状態。
2)具体例:同じ課題でも、文章でまとめるのが得意な人もいれば、図で整理するのが得意な人もいる。
3)反例:「やり方は一つだけ」「違う考えは間違い」と決めつけて、全員を同じ型に押し込む。
4)境界例:ルールは必要だが、ルールの範囲内で“複数のやり方”を認めるのは多様性と言える?(どこまで許すかが論点)
こうしておくと、記述問題で「多様性が重要だ」と書くだけで終わらず、
「それは具体的にどういう場面か」を添えられるようになります。
英作文でも同じで、主張のあとに For example, … を1文足すだけで説得力が跳ねやすいです。
科目別ミニ例:「例えば?」は横に使えます
国語(読解・記述):抽象語(筆者の主張・価値観)に「例えば?」を当てる。
さらに「それは本文のどの箇所が根拠?」まで戻すと強いです。
→ 呉市で国語が苦手な中学生へ:読解・記述を“型”から伸ばす家庭教師
英語:英作文は「主張→理由→例えば」で組み立てると書きやすい。
長文も、難しい一文を自分の生活の例で言い換えると理解が固定します。
数学:文章題で止まる子は、式以前に“場面”が浮かんでいないことが多いです。
「誰が/何を/いくつ」を具体的な数字で置いて、状況を作ってから式にします。
理科:対照実験は「変える条件はどれ?例えば水の量を変えるなら他は同じ?」と具体的に確認。
条件を表にすると、具体化と単純化が同時にできます。
社会:制度や政策は「家計・学校・地域」で具体例に落とす。
たとえば税や福祉は「誰が得をして/誰が困るか」を具体の人に置くと、理解が急に進みます。
国語の「本文根拠」への戻り方は、別記事の「問題文の読み方」も参考になります。
→ 国語の問題文の読み方(設問の要求を外さない)
具体化でやりがちな失敗と、直し方
- 例がズレる:条件に合っていない。→「その例は、どの条件を満たしてる?」を確認します。
- 例が長い:要点が消える。→例は短く、最後に「つまり○○」で一文に戻します。
- 例が1つだけ:たまたま当たっただけ。→例を2つ+反例を1つ、が安定です。
ここで便利なのが「単純化」との往復です。
例が散らかってきたら、A(要点)⇒B(結論)に戻して骨を立てる。
そしてまた「例えば?」で血を通わせる。
この往復ができると、理解がブレにくくなります。
このやり方が特に効くのは、こんなタイプ
- 「分かった」と言うのに、いざ説明を書こうとすると止まる
- 記述がふわっとして減点される(抽象語だけで終わる)
- 応用問題で崩れる(場面が作れない)
- 真面目に頑張るほど、情報を抱え込みやすい
具体化は、頭の良し悪しではなく確認の手順です。
うまく例が出ない日があっても大丈夫です。
例が出ない場所こそ、「伸びしろの場所」です。
体験授業では、こうやって一緒に作ります
体験授業では、普段使っている教材を使って、「例えば?」を実際に入れてみます。
その場で“型”を一度作ると、家でも再現しやすくなります。
- 詰まっている問題・単元を1つ選ぶ(国語なら本文、数学なら文章題など)
- まず単純化で骨組みを作る(何が結論?何が条件?)
- 次に「例えば?」で具体化し、例・反例・境界を短く出す
- 最後に、家で使うための“質問テンプレ”としてメモにして持ち帰る
「家庭教師の時間で宿題をどう扱うか」も、具体化と相性が良いテーマです。
→ 学校の宿題を、塾・家庭教師の時間にやるのはアリ?なし?(答え:条件つきで“戦略”です)
関連リンク(次に読むなら)
最後に:「例えば?」が言えた瞬間、理解は本物に近づく
勉強の伸びは、派手な裏技よりも、地味な確認の積み重ねで決まることが多いです。
「例えば?」は、その確認を最短でできる質問です。
無料体験では、実際の教材で「単純化→具体化」の往復を一緒にやってみます。
うまくハマれば、その日から家でも使えるはずです。気軽にご相談ください。