国語(問題文)の読み方

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国語における問題文というのは、「問1」とか「問2」などの設問文のこととします。

※いわゆる「本文(課題文)」については、必要に応じて記述します。

設問を抽象化する必要性

設問のよくあるパターンとしては、本文(課題文)のどこか重要部分に傍線部が引いてあり、「〇〇とはどういうことか。説明しなさい。」とか「□□とあるがなぜか。説明しなさい。」というものが多いです。

ただし、この本文の抜粋部分(〇〇や□□など)をただ見るだけでは、正確な答案を導き出すのは難しいかもしれません。

そのため、ここで本文の要素を抽象化しましょう。

 

抽象化の仕方としては、国語における論理関係(イコール、並列、対比、因果関係)をイメージしてください。

例えば、「近代社会における時間の感覚は、前近代のそれと比較すると、驚くべき合理化がなされている」というような部分に下線が引かれていたとしましょう。

この部分は、「近代社会における時間の感覚」と「前近代のそれ(時間の感覚)」とを対比して、前者(近代社会における時間の感覚)の特徴を強調していることがわかります。

 

記号を使って表せば、「αはβと比べて、γである」というようになります。

※このような記号は、本文自体には出てきませんが、本文読解においては非常に有効なスキルです。興味のある人は使いこなせるようになりましょう。

「どういうことか」と「なぜか」の違いについて

答え方としては、「どういうことか」の場合は、「ということ」とつけることが一般的とされており、「なぜか」の場合には「から」をつけることとなっています。

しかし、このようなことは、どのようなウェブサイトや本にも書いていますから、読者の皆さんが知りたいのは、もっと本質的なことかと推察されます。

「どういうことか」の考え方・答え方

聞かれているのは、「言い換え(イコールの関係)」であるとみて、ほぼ間違いないでしょう。

よくあるのは、傍線部分が抽象的な言い回しになっていてわかりづらくなっており、その周囲の部分の説明を利用して、わかりやすく説明する、ということです。

そのために、問題文(設問文)の言い換えが必要であることは、先に述べました。

 

例えば、傍線部分が対比型になっている場合には、対になる内容を本文から探してきます。

上記の「近代社会における時間の感覚は、前近代のそれと比較すると、驚くべき合理化がなされている」の例に倣うならば、「近代社会における時間の感覚」について、説明している部分を本文から探します。

また、「前近代のそれ(時間の感覚)」について別の表現で書いてある部分も探し、最後に「驚くべき合理化」について、詳しく述べている部分を探してきます。

 

そして、探してきた部分を「αはβと比べて、γである」という論理関係を崩さないように、丁寧につなげていきます。

「なぜか」の考え方・答え方

聞かれているのは「因果関係」です。

本文において、因果関係を示す「なぜなら」や「だから」といった接続語があるならばそれらを参考に、因果関係になっている部分を探してきます。

また、答え方ですが本来因果関係とは「AであるためにBとなっているから」という形になるのですが、「結果」に相当するBの部分は、傍線部と被っていることが多いです。

そのため、時数に制限がある場合には特に、「Aであるから」というだけで済ませることが多いです。

しかし、解答する側としては、「AとBの因果関係」という両面を意識するようにしてください。

その他よくある設問パターン

その他、よく設問文として現れるパターンとその対処法を紹介します。

「本文中の語句を用いて書きなさい」というパターン

これは、出会えたら非常にラッキーな設問だと思いましょう。

なぜなら、これは「抜き出しなさい」の問題と非常に近いからです。

ただし、完全な「抜き出し」ではありませんので、抜き出した本文中の重要なフレーズを「てにをは」に意識してつなげてください。

 

総じて、この問題文は中学校の定期テストや中学受験の問題に多い気がします。

なお、たとえこの「本文中の語句を用いて」という指示がない場合であっても、記述問題は本文中の語句をうまくつなげて書いたほうが、完全な言い換えをするよりも、リスクは低めです。

指定語句がある場合

例えば、「近代」とか「時間」とかいう言葉を必ず用いて書きなさい、というパターンです。

この条件がある場合、これらの語句を用いて答案を作らないと0点とされることもあるので、要注意です。

しかし、逆に言えば、この指定語句はかなりのヒントです。

いずれも、答案における枝葉末節ではなくて、根幹になる部分を指定語句としている場合がほとんどであり、それらキーワードが本文において使われている部分を見つけて、解答要素を集めていきます。

「変化」を説明する場合

「変化」を説明しなさい。とか「変化に着目して」説明しなさい。と言われる場合があります。

この場合、書き方は結構決まっています。

まず、入れるべき要素としては、「変化の前」「変化のきっかけ」「変化した後」の3つです。

これらを、「当初はAだったが、Bがきっかけとなり、Cとなった」のようにつなげていきます。

「心情説明」の場合

心情説明で聞かれているのは、「心情そのもの」だけではありません。

「その心情になった原因・理由」と「心情そのもの」を組み合わせて書きましょう。

例えば、「AさんのBという提案を聞いて、疑問が解けてCという気持ちになった(安心した)」などです。

語数指定はかなりのメッセージである

語数指定は、問題作成者からのかなりのメッセージだと思っています。

なぜなら、ほとんどの記述問題は本文中(課題文中)から要素を抜き出してきて、それをうまくつなげて書くので、「解答例」に近い答案の場合、字数がかなり似通ってくるからです。

特に、実際に書いていて字数が「余った」という場合には、解答要素が足りていない可能性が高いです。

そのため、詰め込めるものはできるだけ詰め込み、必要ならば、言い換えなどをして文字数の短縮をしてください。

解答例は、たいていの場合、要素がぎっしりと詰まっています。

総括

以上のように、国語の問題文というのは無味乾燥なようであって、実はヒントが詰まっています。

このヒント(問題文の声)をいかに正確にキャッチできるのか、ということが国語を攻略してく上でのカギとなるでしょう。