家庭教師の白井では、授業や宿題において音読を取り入れています。
それは、単なる黙読(目で追うだけ)よりも、学習の「抜け」を減らし、定着を上げやすいからです。
この記事では、音読の効果と、暗記パート/理解パートそれぞれのやり方を、できるだけ再現しやすい形にまとめます。

はじめに:音読を授業・宿題に入れている理由

音読は、単に「声に出して読む」だけの作業ではありません。
例えば、解答解説を見て答え合わせをするとき、目で文字を追うだけだと、どうしても読み飛ばし見落としが生じることがあります。
一方、音読は(良くも悪くも)一度すべてを読むので、全体を見渡しやすいのが強みです。

さらに、目(視覚)だけでなく、口と耳(聴覚)も使うことで、暗記の質が上がりやすくなります。
音読は学習の基礎になりうる方法で、実際に導入してみると「思ったより効く」場面が多いです。
以下では、音読学習をもう一歩だけ掘り下げます。

この記事が特に役立つ方

  • 家で何をしたらいいか分からず、勉強が止まりやすい
  • 平均点に届く前で、学習法を「自分流」に組み立てるのが難しい
  • 暗記が続かない/答え合わせで抜けが出る

音読が効く3つの理由(抜け防止/暗記強化/集中維持)

  • 理由① 抜け防止:目で追うだけだと飛ばしやすい箇所も、音読なら一度は通ります。
  • 理由② 暗記強化:視覚+聴覚+発声で、記憶の「手がかり」が増えます。
  • 理由③ 集中維持:声に出すとリズムが生まれ、眠気やダラダラを切りやすいです。

小さな注意:「速く読む=雑」になりすぎると逆効果です。
まずは正確さを優先し、慣れてきたら速さを伸ばす、の順番が安定します。

総論:音読すべき箇所と、やり方の「型」

音読は、「何を」「どういう順番で」読むかを決めておくと、効果が上がりやすいです。
家庭教師の白井では、暗記(覚える部分)と理解(考える部分)で、音読の型を少し変えています。

① 暗記をすべき箇所(覚える部分)の型

  1. 答えを見ながら、問題文も含めて音読
  2. 答えを見ないで音読(言えるか確認)
  3. 答えを見ないでワークに書き込み

必要があれば、②と③の間に漢字練習など「書き」の要素を入れることもあります。

例:「問 源氏物語の作者を答えなさい。」

音読内容は「問 源氏物語の作者を答えなさい。紫式部」です。
①答えを見ながら読む → ②答えを見ないで読む →(必要なら「紫式部」の書き取り)→ ③ワークに書く、という順で進めます。

② 考え方を理解すべき箇所(考える部分)の型

  1. 答えを見ながら、問題文と解説、解答を音読
  2. 答えを見ないで、解答(結論)を音読
  3. 答えを見ないで、ワークに書き込み

必要があれば、考え方をワークに書き込み、あるいはマーカーで強調してもらうこともあります。

例:「問 初期微動継続時間を求めなさい」

音読内容は、問題文→解説→計算→答え、の順にします。
「10時08分21秒に初期微動が始まり、10時08分33秒に主要動が始まる。よって 33−21=12秒。答え、12秒」など。
さらに、地震の波形の図があるなら、初期微動の部分だけマーカーを引くと効果的です。

このように、音読の仕方を固定化し、単純化することにはデメリットもあります。
ただそれ以上に、学習法が朝令暮改にならないようにし、学習へのハードルを下げるという大きな意義があります。

とりわけ自習において、まだ平均点に達していない段階では、
「自分の理解度を言語化し、疑問点や不十分な点を教材を使って解消していく」ような学び方が、まだ難しいことが多いです。
だからこそ、まずは学習法を固定して、量を積み上げる必要があります。

一方で、ある程度以上学習が進んでいる方は、上記の型に固執しすぎず、音読箇所や内容を自分なりにアレンジしてもよいでしょう。
関連:勉強法を「シンプルに固定する」話は、こちらの記事でも整理しています。
「単純化」で、勉強の“情報量の壁”を越える
「具体化:例えば?」で、わかったつもりを“本物の理解”に変える

各論① 国語:教科書音読は「速さ・正確さ・暗記」の三本柱

国語の教科書音読で目指すことは、次の3つです。

  1. 速さ(速ければ速いほどよい)
  2. 正確さ(漢字の読み、区切り位置など)
  3. 暗記(テスト対策、語彙力強化など)

毎日やる必要はなく、週に1回や2回でも十分意味があります。
教科書本文の全部ではなく、一部分に限定してやっても構いません。

例:教科書に載ることの多い『トロッコ』なら、冒頭の数行(最初の段落)だけでもOKです。
①必要ならふりがなを振る → ②音読練習 → ③慣れたら時間を測って記録、という手順でやってみてください。
成果が「見える化」されるので、次回の目標が作りやすくなります。

参考:国語を「再現できる手順」にする考え方は、こちらにもまとめています。
国語と再現性:感覚科目を“再現できる作業”に変える方法
国語の問題文の読み方

日付 範囲(例:冒頭1段落) タイム メモ
2/◯ 冒頭1段落 ◯秒 漢字の読み/区切り

各論② 数学:解説まで音読して「思考手順」を固定する

数学は、用語暗記よりも「過程の理解」が重要です。
そのため、総論で言及した「考え方を理解する音読」が有効で、解説も音読します。

例:「問 Aさんがサイコロを2回投げて、出た目の和が素数になる確率を求めなさい」
解説の「2回の結果を表にまとめる → 表を読むと素数になる場合は15通り → 全部で36通り → よって 15/36=5/12」も音読します。
答えの数値をうっすら覚えておくのは、計算ミスや要素の抜けに気づく意味で、私は肯定的です。
問題なのは“答えだけ暗記して丸写し”することですが、過程も音読しておけば、その弊害は小さくなります。

音読のコツ:計算は「頭の中で済ませず」、声に出して区切ります。
例:「33 − 21」→「33引く21」→「12」。
“どこで何をしたか”が残ると、復習が速くなります。

各論③ 英語:英文だけでなく、和訳も一緒に音読する

英語は、音読の必要性がもっとも言われる科目のひとつです。私も賛成です。
英文はもちろん、日本文(和訳)も音読して、イメージに焼き付けるべきだと思っています。

例:「花子は昨日図書館で本を読んでいた。これを英語にしなさい。」
答えの “Hanako was reading a book in the library yesterday.” だけを音読すると、英語の“音”だけが残って意味が抜けることがあります(特に中学生)。
そのため音読内容は「花子は昨日図書館で本を読んでいた。Hanako was reading a book in the library yesterday.」のように、和文→英文をセットにします。

また、長文問題でも音読を推奨します(こちらは高校生〜大学生など、ある程度進んでいる方向け)。
意味が取れる場合は、全訳(和訳)は目で追うだけでも良いので、英文だけを何度も音読し、必要に応じて音源も聴いて発音・読み方を整えてください。

関連:英語学習の「今の意味」については、こちらの連載内でも触れています。
【AI時代の学習の意義】第9回:英語編

よくあるつまずき(Q&A)

Q1. 音読が恥ずかしくて声が出ません。
A. 最初は「小声」でもOKです。大事なのは発声の大きさより、口を動かして、区切って読むことです。

Q2. 速く読むと雑になり、遅いと飽きます。
A. まずは「正確さ」優先で、慣れたらタイム計測を入れてください。速さは後から伸びます

Q3. 時間が取れません。
A. 全部やらなくてOKです。教科書なら「冒頭の数行」、問題集なら「今日の2問だけ」など、範囲を小さく切ると続きます。

Q4. 音読しても内容が入ってきません。
A. 「どこが分からないか」を音読で炙り出す、という使い方ができます。
その日の授業では、そこを一緒にほどきます。体験時に確認したい方は、体験授業チェックもご覧ください。

総括:意味のある音読で定着度を上げよう

このように、音読学習には、黙読学習と比べてさまざまな意義があります。
家庭教師の白井では、「学習法が分からない」「家で学習する気が起きにくい」という方に対して、特に上記の方法を推奨しています。

また、「読むこと」は「書くこと」より短時間でできることが多いため、授業時間内の効率化にもつながっています。
授業中に解ける問題量が少ないことが悩みの場合、音読を取り入れると改善するケースもあります。

この「音読」手法は、私の現在のテーマである「できるだけシンプルで再現可能な学習法の構築・提案」ともつながっています。
これからも実践しながら、さらに詰めていきたいと思います。

関連リンク(あわせて読むと理解が深まります)

「塾・個別・家庭教師の違い」自体をまず整理したい方はこちら。
1対1個別塾や家庭教師の特長

無料体験では、教材に合わせて「音読の型」を一緒に作ります

無料体験では、実際にお持ちの教材を使いながら、どこをどう音読すると効果が出やすいかを一緒に整えます。
うまくいけば、その日から家でも再現できるはずです。気軽にご相談ください。