「この勉強って、将来ほんとに役に立つの?」——生徒さん・保護者さんから一番出やすい問いを、まずは“利己的側面(自分の進路・生活・人生のため)”から言語化します。


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前回の記事(第1回)では、AI時代に「学習」が依然として重要である理由について書きました。

その中でも特に、ここからの時代では、

  • 自分の人生を自分で選び取れること
  • 社会で生きていけること
  • 人間としての土台ができること

この3つが、「学習」の意義としてより大きくなってくるのではないか、という話をしました。

さて今回は、その続きを書きます。

はじめに:この勉強、本当に意味があるの?

「そもそも、この勉強って役に立つの?」

これは、生徒からも保護者からも、とても多く聞かれる質問です。

そして、その問いにどう答えるかで、勉強のモチベーションや、学びの質は大きく変わります。

だから、まずはここを正面から整理しておきたいと思います。

結論から言えば、「学習が役に立つかどうか」は、

  • 短期的に見れば「点数」「合格」「内申」など、わかりやすい成果につながる
  • 中期的に見れば「進路」「就職」「生活の安定」に直結する
  • 長期的に見れば「人生の自由度」や「世界の見え方」まで変える

こういう形で、確実に「役に立つ」と言えます。

ただし注意点があります。

この問いに答えるとき、多くの大人は、つい次のように言いたくなります。

「勉強は自分のためにするものだよ」

これは、方向としては正しいです。

ですが、これだけだと、生徒はこう思います。

  • 「それって結局どういう意味?」
  • 「自分のためって、何のため?」
  • 「自分のためって言われても、ピンとこない」

だから、今回は「自分のため」という言葉を、もう少し具体的に言語化してみます。

利己的側面:自分の進路や生活、人生のために学ぶ

「自分のために学ぶ」とは、まず第一に、

自分の進路や生活を、自分で選べるようになるためです。

ここでいう「選べる」とは、

  • 自分の希望する高校・大学に進学できる
  • 将来の職業の選択肢が増える
  • 生活を成り立たせるための力がつく

という、かなり現実的な意味です。

そして、ここで大事なのは、

「選べる状態」を作っておくことが、人生の自由度を上げるという点です。

自分のためって何のため?:利己的側面の深掘り

ここで、少し踏み込みます。

「自分のために学ぶ」というのは、

“将来の選択肢の通貨”を増やす、ということでもあります。

選択肢の通貨:学びが将来の自由を担保する

勉強で得られるものは、点数や知識だけではありません。

それはもっと広い意味で、

「交換可能性」を増やす行為でもあります。

たとえば、

  • 英語ができる → 情報源が増える(日本語の外に出られる)
  • 数学ができる → 論理的に考えられる(騙されにくくなる)
  • 国語ができる → 他人の意図を読める(交渉や合意形成がしやすい)

こういう能力は、そのまま「人生での交換材料」になります。

そして、この交換材料が多いほど、

人生で困ったときに、逃げ道を作れるのです。

「交換可能性」:学びは“詰み”を減らす

人生が苦しくなる典型は、「詰み」です。

つまり、

  • 選択肢がなくなる
  • 逃げ道がなくなる
  • 代替案が持てなくなる

この状態になると、人は急に弱くなります。

逆に言えば、

学びによって選択肢を増やしておくと、詰みにくくなるということです。

これは、かなり「利己的」な価値ですが、同時にとても現実的で大切な価値です。

次回予告(第3回)

今回は「利己的側面(自分のため)」という観点で、学習の意義を整理しました。

次回(第3回)は、ここから一歩進めて、

「公共性(社会で通用する教養)」という観点から、学びの意味を整理します。

  • 社会で通用するとはどういうことか
  • AI時代に「教養」はどう変わるのか
  • 勉強が「合意形成」や「責任ある判断」にどう関わるのか

このあたりを書いていく予定です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。よろしくお願いします。