国語記述問題のヒント
「読めている」ことではじめて「書ける」
呉市の家庭教師の白井では、その特長の一つとして、「読解・記述」の指導を挙げています。
国語に重点を置いて指導することは、個人的には重要なことだと思うのですが、実際にはそこまで国語指導に特化しているサービスの数は多くない印象です。
そのため、今回は、呉市の家庭教師の白井の特長の一つといえる国語について、私なりの考えを書いてみようと思います。
国語の総合読解問題は、国語力を測るよい指標です。
なぜならば、こうした問題は「読む力」と「書く力」との両方がないと答えることができないからです。
一方で、「読む力」「書く力」のいずれか片方を集中的に鍛えたい、という場合には、こうした読解記述問題に取り組む場合には、注意が必要なこともあります。
なぜならば、答えを記述するためには、まず本文を正しく読解していることが大前提だからです。
そのため、本文中にわからない語句があった場合には、その語句の(本文中における)意味を考えること、あらかじめ知っておくこと、が必要であるのと同時に、本文中にしばしば登場する接続表現を正しく読み取っておくこともまた、重要です。
今回の記事では、「読む力」についてではなく、ある程度「読める」のに、それを解答として正しく記述することに苦労している方を想定しています。
そのため、「読むこと」に苦労している方向けには、別の時に「読むこと」についての記事を書こうと思っています。
記述問題は、第一に「本文」
私が、家庭教師(塾)で指導する際に、最も強調しているのは、「本文を大切にすること」です。
これは、「本文中の言葉・表現を使って」という指示がある場合にはもちろんですが、そうでない場合においても、当てはまります。
※呉市の中学校の定期テストでは、しばしば「本文中の言葉を使って」という指示が登場するようなので、もしかしたら、呉市の中高生の方は、本文を重視する癖が身についているかもしれませんね。
具体的には、解答作成に当たっては、基本的には本文に書いてある表現を書き抜き、そのうえで、必要ならば若干形を変えたり、言い換えたりするということです。
もちろん、本文中の表現をそのまま使うだけでは、解答作成が困難な設問もあります(特に小説、随筆などは)。
しかし、そういう場合でも、想像力を働かせる起点としては、本文があることを忘れてはなりません。
本文において、どういう要素が登場し、それぞれの要素が言い換え・対比・因果関係などの、論理関係のうち、いずれに該当するのか、ということを考えることが重要です。
言い換えをする場合には、語彙力がものをいう
言い換えをするメリットは、2つあります。
1つは、本文中に書かれてはいるけれども、端的には言い表されていないことを、解答に組み込めるということです。
たとえば、物語文の場合には、物語のあらすじを端的な言葉で言い表せば、解答の要素として使用できる場面は、多いと思われます。
2つは、本文中の言葉をそのまま抜き出してつなげるだけでは、解答が冗長になりすぎ、文字数を圧迫してしまう場合の解決策となることです。
これは、説明文でもいえるのですが、本文中の言葉をそのまま書き抜くだけでは、解答欄に収まらないという場合がたまにあります。そういう場合には、言い換えを行うことによって、文字数を圧縮でき、ほかの要素を組み込むこともできます。
但し、言い換えを正しく行うためには、本文にない単語を知っていること、すなわち、語彙力が重要になります。
語彙力は知っているだけではなくて、使いこなせることまでできて、語彙力といえますので、普段から言葉について、興味関心をもって調べ、使っていくことが重要です。参考書などもありますので、それらを活用して、覚えていくという手もあります。
解答の「型」を考えてから書く
本文を読んで、解答の根拠となる個所も発見し、文字数的にも十分そうだ、というようになっても、まだもう1ステップ踏んだほうが良い場合があります。
それは、解答の「型」を考えるということです。
例えば、「変化」について説明するときには、「変化の前」「変化の原因・理由」「変化の結果」を書く必要があるのですが、これを記述答案にする場合には、「はじめは、Aだったが、Bがきっかけで、Cになった。」というような、形を考えることで、より答案を書くときに考えるべきことが減ります。
また、ほかの例としては、呉市の家庭教師の白井がよく利用する『国語長文難関徹底攻略30選』の中の、「プルートーのわな」という文章の問12をご紹介します。
こちらは、要は主人公のネズミがネコにだまし討ちにされた後、そのネコは呑気に水を飲みに行くのですが、こうした行動から読み取れるネコの考え方について、説明する問題です。
こうした、考え方や心情を説明する問題では、まずそうしたものを端的に言い表す一言(決めの一言)から考えます。
今回は、「(ネコにとってはネズミの生き死になど)どうでもよいという考え」です。
この言葉を肉付けし、さらに加筆していきます。
本文中のストーリーは、「ネズミがネコにだまし討ちにされた」ということなので、これも解答に組み込みます。
※なお、本文中には「だまし討ち」という単語は直接にはでてこないので、これも「言い換え」です。
また、この物語では、ネコはネズミにとって、恐怖の象徴、つまり弱者のネズミに対する、強者のネコという位置づけなので、これも組み込みます。
最終的に出来上がった解答例としては、「強者であるネコは弱者であるネズミをだまし討ちにしても何の問題はなく気にしなくてもよいという考え」というものでした。
総括:「書く力」も再現性が必要
学習において重要なのは、「次に似た問題が出たときに対応できる」という「再現性」です。
数学や英語においてもそうだと思いますが、国語の読解・記述においても、再現性はとても重要です。
というよりも、国語は同じ文章は、学校の定期テストを除いては出ませんから、再現性のある学習をすることが、国語力をつけるカギとなります。
今回の記事では、①まずは、正しく読む、②そのうえで、本文の言葉をなるべく使う、③型を考えてから書く、ということをご紹介しました。
もちろん、さらなる上級テクニックとして、出来上がった答案を、言い換えなどを駆使して、なるべく圧縮したり、要素を足したりする、「足し算・引き算」をするということがあるのですが、これについては、また別の機会に記事にします。
呉市の家庭教師の白井としては、このような考え方をなるべく生徒さんに理解してもらうために、普段から生徒さんとの対話を大切にして、家庭教師・塾の授業を行っています。