国語の「普通の」学習法

国語は、すべての科目の基礎となるとよくいわれます。

私もそう思います。

ですが、国語をどのように勉強したらよいかは知らない人が多い印象です。

 

したがって、以下では特に奇をてらうことなく、「普通に」国語を学習する方法を紹介します。

なお、現代文から先に説明し、古典(古文、漢文)は後のほうで解説します。

また、求められているレベルは学校や学年によって異なるため、ここでは「基礎」「中級」「上級」という相対的な基準で書いています。

現代文:基礎レベル

目安:教科書の本文の内容が何を言っているのかわからない、自分の解答と解説を比べたとき全く違う内容になっている

論理が存在するということ

解答欄を全部埋めたにもかかわらず、採点が「0点」になっていて「なんでだろう」と思っている人はここから始めましょう。

 

まず、本文を正しく(わかりやすく)読むために、文と文との関係(段落と段落の関係)には次の3つがあることを覚えてください。

  1. イコールの関係(具体化・抽象化の関係、対等関係)
  2. 対立関係(対比関係)
  3. 因果関係(主張と理由、原因と結果の関係)

現代文の文章は、上記3つの論理的関係を用いて書かれています。

まずは、文章を読んで、ある文と次の文との関係がどれに当たるのかを考えてみるだけでもよいです。

すると、著者が実はランダムに言葉を選んで用いているのではなくて、ちゃんと考えたうえで言葉を選んで組み合わせていることがわかってきます。

一文の分析

また、1つの文を細かく分析できるようになることも大切です。

というのは、1つの文には主語と目的語と述語からなる「要点」と、修飾語からなる「飾りの部分」とがあり、2つを区別することで分かりやすく読むことができます。

※なお、その前提として一文を単語や文節に分解できるようになる練習も必要です。

※一文の分析の練習としては、学校配布の国文法の本や、出口先生の書籍がおすすめです。

 

とりわけ、高校現代文では一文が長いことも珍しくありません。

この場合、英語のSVOC(M)のように、現代文も主語、目的語、述語と修飾語に分類すれば、注目すべきところと後で考えるべきところとに分けることができます。

一文が長くなっていることの理由はさまざまですが多くの場合、「飾りの部分」が冗長に複数連なっていることが原因です。

 

例えば、「(飾り1)(主語1)(飾り2)(目的語1)(飾り3)(述語1)、(飾り4)(主語2)(飾り5)(目的語2)(飾り6)(述語2)。」のような、いかにも飾りが多い文を考えてみましょう。

現代文の文章では、これが縦書きになにも印や区切りなしにずっと書かれているものですから、とりわけ初心者はどれも同じくらい重要(対等)だと考えてしまい、処理しきれなくなってしまいます。

しかし、文の要点は主語と目的語と述語だけですから、まずそれだけを取り出してみましょう。

 

すると、(主語1)(目的語1)(述語1)、(主語2)(目的語2)(述語2)となります。

これが、読解の基本となる部分です。

そのうえで、「主語1はどんなものなのか」「目的語1はどんなものなのか」「述語1はどんなものなのか」を説明している「飾り」の部分を見ます。

 

このように、読む順番を意識することで現代文は非常にわかりやすいものに変わるでしょう。

読みやすい文を書くために

答案は、わかりやすい文でまとめる必要があります。

ここでいう「わかりやすい」とは、論理的であるということです。

 

国語が苦手な人の答案がわかりづらいのは、主語と目的語と述語がきちんと対応していないからです。

例えば、「Aの夢は、Bすることが夢であるということ」のようなものです。

あるいは、「AはBで、Cで、Dで、Eしたり、Fしたりするということ」のように、B~Fがイコールの関係(対等関係)で羅列しているものもわかりづらいです。

 

そのため、接続語を正しく使い、自分の持っている書きたい内容を整理する必要があります。

独学でやる人は、次のようなツリー構造を書いてみるとよいでしょう。

 

【一文のイメージ図】

(主語)→(目的語)→(述語):幹の部分

・・↑・・・・↑・・・・・・↑・・・・・・・

(飾り) (飾り)  (飾り):枝葉の部分

補足:現代文単語

なお、ここで理解の邪魔をしてくるのが「単語」の意味、あるいは読むために前提となる「常識」です。

※ちなみに、漢字の読み書きは覚えるしかないと思っています。

 

これは国語辞典で調べてもよいのですが、それだと説明が薄すぎたり、本文の意味とは異なったりすることがあります。

したがって、現代文用語集のようなもので学ぶほうが、用語の背景にある知識まで紹介されていて、おすすめです。

なお、現代文用語集は、英単語や古文単語、あるいは漢文の漢字の意味よりも覚えることは多めとなっています。

例えば「近代」と「前近代」というのは、単に「いつが近代と前近代の分かれ目であるか」ということを覚えてもあまり得点にはつながりません。

むしろ、「なぜ前近代が近代に変わったのか」という原因や背景について覚える必要があります。

現代文:中級レベル

目安:教科書の本文の中で大事な部分と補足の部分の違いが判る、答案で自分の伝えたいことを表現できる

 

一番時間がかかる「基礎」の部分をクリア出来たら、それだけでやるべきことの半分は終わっているといえます。

しかし、現代文の答案は数学のように途中式を評価してもらえるということがないため、基礎が出来上がっていても結果に表れていないということもありえます。

その場合、次のポイントを押さえることで自分の実力が正しく点数に反映されることでしょう。

本文をもとにして書くこと

本文の言葉を使用して答案を作るためには、まず本文の言葉(単語)の本文における用法を調べる必要があります。

そのためには、基礎レベルにおける3つの論理的関係や、一文の分析技術が必要です。

 

傍線部を説明することが求められたら、まずは傍線部を単語レベルで分析し、要点をつかんだ後、周辺の文や段落との関係を調べます。

一般的には、同じ段落や傍線部の周辺に答えとなる要素が含まれていることが多いですが、絶対ではありません。

本文を一読した後、全体の見取り図を頭の中に用意したうえで、考えましょう。

 

そして該当箇所がわかった場合、できるだけその該当箇所で用いられている単語をそのままの用法で使用しましょう。

たとえば、「AはBである」という内容があった場合、「AはBと違う」という書き方をしたら、たとえAとBという単語を見つけたこと自体は正しくても、0点になるでしょう。

また、上記ほど極端ではなくても、例えばCの理由としてDが挙げられており、そのDの具体例としてEとFが挙げられている場合において、DとEとFを並列するのは間違いです。

※基本的に、具体例は書かないことが多いですが、明らかに必要な場合には、「Cであるのは、EやFのように、Dだから」のようにE・FとDの論理関係を区別して書きましょう。

答案を採点・分析する(解説を正しく読む)

答案や模範答案、解答解説もまた1つの文あるいは文章です。

そのため、これらを正しく読解するには上記の基礎の学習が欠かせません。

 

基礎が固まったうえで、次の段階に進むには解答解説を正しく読解することがおすすめです。

解答解説には、大事な内容がたくさん詰まっていますが、その中でも要点と飾りの部分は存在します。

 

また、解答解説は一般に問題文本文よりもわかりやすく書かれています。

したがって、本文の理解が100%でなくても、解答解説は100%に近い読みを目指しましょう。

解答解説で読み取るべきポイントは、次の2つです。

  • (模範)答案が注目している本文の内容(キーワード)の読み取り方
  • (模範)答案の要点(主語と目的語と述語)と飾りの書き方

実際、これだけできたら自分だけでも結構PDCAサイクルが回せるようになります。

逆に言うと、ここまでのどこかで躓いている人が大半で、一人で国語が勉強できない、勉強するのが苦しいという人は、上記のステップを踏みましょう。

現代文:上級レベル

目安:文章の理解度が自分で分かり、記述答案の自己採点もできる

1人で国語の学習ができるようになるのは、実は上級者になってからだと思っています。

このレベルになると、現代文に関するいろいろな問題集を活用できるようになります。

 

その中でも、とりわけさらに上を目指すのに有効なのは難関大学の過去問です。

例えば、上記は京大の現代文について、非常に定石的な解き方で解説しています。

傍線部の分析から始まり、解答要素の絞り込み、また必要ならば具体例の一般化など。

様々なテクニックが紹介されています。

 

ほかにもいろいろな問題集がありますが、書店で内容を見てみれば、自分に合うかどうか判断できるでしょう。

古文:基礎レベル

目安:書いてある内容がわからない。記述問題であてずっぽうを書いてしまう

古文は英語と現代文の中間にあるような言語分野だと思います。

それは、古文単語や古文文法など知識がないと読めない一方で、現代日本語と似ている単語や文法があるということです。

また、英語と違って単語と単語の間にスペースが空いていないので、品詞分解をする必要がある点も指摘できます。

 

つまり、基礎レベルを固めるためにやるべきことは、明らかです。

  • 古文単語を覚える
  • 古文文法を覚える
  • 品詞分解をできるようにする

ということです。

古文単語について

単語には、自立語と付属語があります。

自立語ももちろん大事ですが、付属語(助動詞、助詞)も覚えるべきです。

 

生徒さんの話を聞いていると、付属語の中でも助動詞についてはまだ学校で取り扱うことが多いようです。

※なお、助動詞は意味のほかに、接続や活用も覚える必要があります。

しかし、助詞はあまり多くの時間を割いて教えられることはないようです。

 

なので、自習するとすれば助詞とりわけ、接続助詞の意味を覚えましょう。

ほとんどの古文単語の本や、参考書、辞書などには助動詞一覧表に加えて、助詞の一覧表も載っているはずです。

これらを何度も見て覚え、訳で使いこなせるようになりましょう。

古文文法について

文法を学ぶのはなぜか、活用表を書くのはいったいなぜか、といえばその大部分は識別のためだと思っています。

例えば、「ぬ」と書いてあっても、それが打消しの「ず」なのか、完了の「ぬ」なのか見分けるためには、文法の知識が必要です。

そして、単語の意味が文法的に識別できれば、当然それは現代語訳にも影響します。

品詞分解について

単語や文法の学習は、最終的には実際の古文を読むためにするものです。

そのため、最低限の基礎を覚えたら、本文読解にチャレンジしてみるべきです。

 

しかし、本文を訳しながら読むというのは、上達してからであって、最初は品詞分解をして単語レベルで意味を考えてからにしてください。

つまり、最初に古文を単語に分解します。

そして、それぞれの単語の意味を、助動詞・助詞も含めて根拠を持って考えます。

 

もちろん、区切り方や意味の判断もあっているとは限りませんから、先生や詳しい人に聞きながらやるとよいでしょう。


古文:中級、上級レベル

ある程度余裕が出てきたら、今度は本文や本文の背景理解に時間を割きましょう。

具体的には、古文常識を学んだり、主要な作品の概要を調べたり、といったことです。

これらを学ぶことによって、古文の先の展開が読めるようになり、読解の負担が明らかに減ります。

 

 

 

また、この段階にあっても単語や文法を大切に読むということは続けてください。

古文単語は英単語と比べてそれほど多くはありませんが、他方で一つの単語が持っている意味は幅広いです。

そのため、場面に応じて正確な現代語訳をしなければなりません。

 

その他、学ぶと面白いこととしては和歌の解釈です。

古文の作品では和歌が読解のカギで有ることが多い一方で、和歌を正しく読むということはなかなか難しいです。

和歌の様々な表現技法を学んだうえで、うまく訳せるようになったら、もう古文で怖いものなしだと思います。