国語はよく「学習法がわからない」とされます。
たしかに数学や英語と比べると、学ぶ対象が自分自身の使っている「言語(母国語)」ですから、
身近であるだけに、どう学んで力を伸ばすのかが見えにくいのも事実です。
しかしその一方で、国語力を身につけることには大きな意義があります。

国語力について

国語力の価値を一言でいうなら、母国語による「情報収集」「情報整理」「学習」が効率化することです。

たとえば教科書や参考書を読むときに、「重要なこと」と「それほど重要ではないこと」を見分け、
緩急をつけて学ぶことができるようになります。

国語力が十分ではない人にありがちなのは、「書いてあることは全部重要だから、全部全力で読む」という読み方です。
これだとすぐに気力・体力を使い切り、頭の中も整理されないままになりやすいです。

文章読解のコツは、誤解を恐れずに言えば「いかに楽をして読むか」にあります。
もっと言うと、「いかに読まないで済ますか」を設計することです。

国語力をつけるには

国語学習で重要なのは「再現性」です。ある文章を読んで学んだことが、別の文章を読むときにも活用できる状態を目指します。

なぜなら国語は、入試や各種試験では基本的に「未知の文章」が出題されるからです。
定期テストでも同じ文章は出るかもしれませんが、ワークと全く同じ問題が出るとは限らないため、
やはり応用が必要になります。

再現性のために必要なのは「形式」です

読者に伝わることが想定されている文章には、必ず「伝えるための型(形式)」があります。ここでは、特に重要な4つを紹介します。

  1. 対比構造

    AとBを比べ、筆者が言いたいAの特徴をBとの比較で浮かび上がらせる型です。説明文はもちろん、物語文・小説・随筆でも多用されます。

  2. 具体化と抽象化(一般化)

    「例えば?」(具体例)と「要するに?」(抽象化)に注目します。
    読解や記述では、実は抽象化(一般化)している記述のほうが重要なことが多いです。
    文章は具体と抽象を行き来するので、ここを見抜けると一気に“楽に”読めます。

  3. 類比構造

    2つのものを持ち出して共通点を示す型です。ただしAとBはイコールではなく、
    「共通点に注目しているだけ」という前提を押さえるのがポイントです。

  4. 主語・目的語・述語

    基本事項ですが、長文になるほど骨格が曖昧になりがちです。修飾語が挟まるほど理解が難しくなるので、
    文の骨格を仕分ける力が重要です。国語の読解と文法はセットだと考えます。

国語と読書

読書をすると国語ができるようになるか、については意見が分かれます。
「受験対策と読書は別物」という見方もあれば、「読書で文章に慣れることが底上げにつながる」という見方もあります。

結論として、私はどちらも正しいと思います。ただし注釈があります。

読解・記述のためには、先ほどの「形式」(対比/具体⇄抽象/類比/文の骨格)を学ぶことが重要です。
これは読書だけで自然に身につくとは限りません。

一方で、同じくらい(場合によってはそれ以上に)重要なのが語彙(言葉の知識)です。
語彙が増えるほど、文章を自分の言葉で言い換えて理解・表現できるため、読解にも記述にも有利になります。

語彙力は一朝一夕では身につきませんが、母国語の日本語は触れられる機会が多い。
その代表例が読書です。漫画でも構いません。日本語の世界に浸る時間が、長期的に効いてきます。

国語の参考書・問題集と具体例

国語の参考書や問題集は近年かなり充実しています。とはいえ、学ぶ人の現状や用途に応じて選ぶことが大切です。
私が特に重視しているのは「解説や語彙の説明の詳しさ」です。

おすすめ教材(目的別)

  • 『国語長文 難関徹底攻略30選』(東京学参)
    → 少し余裕のある中学生向け

    設問解説・語彙解説が非常に詳しく、一定以上のレベルの中高生の読解・記述トレーニングに適しています。
    素材文も厳選されていて、読むだけでも得るものがあります。

  • 『京大入試詳解25年 現代文』(駿台文庫)
    → 余裕のある高校生向け

    難易度は高いですが、その分、文章も設問も精緻です。解説も厚く、熟読し実践できれば堅牢な国語力につながります。
    可能なら国語の先生と一緒に進めるのがおすすめです。

  • 『田代式 中学受験 国語の「神技」』(講談社/田代敬貴 著)
    → 中学受験向け

    問題と答案例をもとに「どう解くか」だけでなく「どう教えるか」にも触れられており示唆が多い一冊です。

上記以外にも多くの教材があります。目的や現状に合わせて、最適なものを一緒に選ぶのが近道です。