広島県の公立高校入試の変化

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呉市の中学生の生徒さんは、ほぼ例外なく広島県の公立高校入試を受験します。

しかし、この公立高校入試制度や入試問題の内容は、変わってきており、最新の情報にアップデートする必要があります。

来年度の入試制度(令和7年度入試)については、詳細が発表されてから、別の記事でまとめるつもりです。

この記事では、すでに終了している過去の入試制度や入試問題について、印象的だったところを中心にご説明します。

公立高校入試制度の改革

令和5年度入試において、広島県の公立高校入試制度は大きく改革されました。

 

それまで、広島県の公立高校入試と言えば、いわゆる「内申点(通知表)」の占める割合が大きく、割合で言えば半分くらいを占めていました。

しかも、中学1年時の成績から考慮されるため、中1の最初のテストから気が抜けない状況でした。

そのため、中1の最初の課題テストで失敗してしまうと、「呉三津田高校は難しいかな」とか「市内の私立高校にするしかないかな」などの受け止め方をする方もいらっしゃったようです。

 

こうした広島県の公立高校入試ですが、実際に改革が行われる3年前くらいに、改革の内容が発表されました。

とりわけ注目すべき内容(特に呉の三校:呉三津田、広、呉宮原の入試にとって重要な内容)は、以下の通りです。

  • 定員の半数が「一般枠」と呼ばれる制度で決定されるようになった。残り半分の「特色枠」は(呉三校の)制度改革以前の配点をおおむね踏襲している。
  • 「一般枠」においては、入試当日のテストの点数の割合が非常に高く、内申点の割合が相対的に大きく低下した。(具体的には、(入試の点数):(内申点):(自己表現)=6:2:2)
  • また、「内申点」の計算においても、中学3年時の成績が3倍されることになった。
  • 「自己表現」という場が導入され、中学時点までの頑張ったことや、高校以降に頑張りたいことをアピールできるようになった。

平川前教育長の言葉を借りれば、「直近の学力ほど高く評価する」ということになりました。

これにより、中1や中2で成績が振るわなかった人であっても、中3で努力すれば呉三校に入学できる望みが出てきた、ということです。

広島県の公立高校入試の問題のトレンド

令和5年度の入試改革以前から、広島県だけでなく、全国の公立高校入試問題が変わってきていました。

その原因は、大学入学共通テストの出題傾向にあります。

大学入学共通テストでは、それまでのセンター試験と比べてさらに、受験者の思考力や表現力を試すような出題になっています(相対的に単なる知識の暗記の重要性は後退しました)。

公立高校入試も、こうした大学入学共通テストの影響を受けて、受験生の知識というよりは、それを踏まえての思考力・表現力を試す試験に変化したのです。

 

広島県の公立高校入試は、全国的にも上記のトレンドを強く持っており、一時期は「広島県の公立高校入試は全国的にもかなり難しい」と言われたほどです。

実際に、平均点などが公表されていますがそれを見る限りでも、広島県の公立高校入試問題の難易度の高さ、要求される思考力・表現力の高さがうかがわれます。

 

しかし、直近年度(令和6年度)の入試では、その傾向に変化が見られました。

問題傾向が基礎重視(とはいっても記述は結構ありますが)になり、平均点も大きく上昇したのです。

過去には、広島県の入試名物ともいえる、かなりの長文記述もありましたが、そうしたものが影を潜めたといえます。

番外編:国語の「漢文」について

広島県の公立高校入試の国語では、たまに「漢文」が出題される年度があります。

しかし、それは結構珍しいケースであり、大体の場合は古文が出題されます。

直近では、前年度(令和6年度)入試において漢文が出題されました。

 

もちろん、最新年度で何が出題されるかは、わかりませんが、両方の対策をしておくことを勧めます。

ただし、それほど応用的な学習は必要ないといえ、古文で言えば「現代仮名遣い」を、漢文で言えば「書き下し」や「返り点」などをマスターしておけばよいでしょう。

 

また、これも最近の年度の特徴ですが、独立した大問4の作文がなくなった代わりに、大問3の古典分野の最後に、その文章を踏まえた作文が出題されるようになっています。

さらに、前年度(令和6年度)においては、作文の文字数がその前の200文字から80文字まで減少するなど、時間制約も緩めになっています。

総括:呉三校に合格するには

呉市の家庭教師の白井では、呉三校に安定して合格者を出していますが、合格するためにはそれなりの量と質の勉強が必要です。

具体的には、中学校で配られる新研究(または、それに類する学校問題集)を完璧にし、また過去問も5年分くらいは回して、さらに余力のある人は、塾用教材会社の出している、入試問題の類題演習をする、というのが理想的です。

ただ、実際にはそこまで時間を作り出せる人は少ないですから、効率をいかに上げるか、ということが重要になります。

 

こうした事情も踏まえまして、呉市の家庭教師の白井では、生徒様の現状や性格にあった勉強プラン、勉強内容をご提案し、実行しています。