共通テスト当日|今年の受験生へ:2つのメッセージ(少し言い方を変えました)

今日は大学入学共通テスト当日です。受験生のみなさん、そして支えるご家族のみなさん、本当にここまでお疲れさまでした。
朝の会場に向かう道は、いつも少しだけ空気が違います。いつもの街、いつもの冬なのに、足音や呼吸がやけに大きく聞こえる。そんな日です。

私はこの時期になると、毎年それなりに似たことを考えます。
ただ、今年は少し言い方を変えたいと思いました。
理由は単純で、ここ数年、受験生の“努力の形”が以前よりも多様になったと感じるからです。勉強のやり方も、情報量も、環境も、人によって全然違う。だからこそ、言葉も少しだけ調整したい。

今年の2つのメッセージ

  • 受験人生のベストショットを!(写真のショット/ゴルフのショット)
  • 未来は奪うか、奪われるか(競争社会のリアル)

1.受験人生のベストショットを!

まずひとつ目は「受験人生のベストショットを!」です。
写真の“ショット”と、ゴルフの“ショット”をかけています。

受験は、その瞬間の学力を一枚の写真のように切り取る行為です。
しかも、自分の都合のいい瞬間だけを切り取ってもらえるわけじゃない。
「今日、この瞬間のあなた」が点数になって残ります。

ここで今年、私が少し言い方を変えたいのは次の点です。
以前は「準備した人が勝つ」と言い切りたくなる気持ちが強かったのですが、今年はもう一段だけ丁寧に言うなら、準備は“勝つため”というより、“自分を守るため”にあると思っています。

写真でいいショットを撮るには、光や構図、タイミングを整えます。ゴルフも、フォームや距離感を整えます。
受験の準備も同じで、狙いは結局、本番の揺らぎに飲まれないための仕込みです。

本番の揺らぎから“自分を守る”仕込み

  • 手順:問題を読む順番/見直しのルール/ミスの処理手順
  • 時間:どこで粘るか/どこで捨てるか/戻る場所を決める
  • 生活:睡眠/朝のルーティン/休憩の取り方
  • 心:1問落としても次に切り替える練習

※今日やることは「新しい努力」ではなく「いつも通りを出す工夫」です。

そして、これは“写真”という比喩だからこそ言えるのですが、写真って、狙った通りにいく日もあれば、偶然すごく良く撮れる日も、逆にブレる日もあります。
受験も同じです。
だから私は「完璧にやれ」と言いません。目標は一つだけ。あなたの中で、できるだけ良い一枚を撮ることです。

もし途中で失敗したら、やることは反省ではありません。
立て直しです。呼吸を整えて、次のページを開く。
ベストショットは、最後の最後に決まることもあります。

2.未来は奪うか、奪われるか

二つ目は「未来は奪うか、奪われるか」です。
これは少し厳しく聞こえるかもしれません。けれど、私はこの言葉を“煽り”としてではなく、本番で迷いを断ち切るための現実確認として置きたいと思っています。

受験は、残念ながら優しい世界ではありません。
誰かが合格するということは、別の誰かが不合格になるということです。席は限られています。
結果は、必ず順位になります。

ただし、ここも今年は少し言い方を変えます。
以前は「競争なんだから強くあれ」と言いたくなる気持ちがありましたが、今年はもう少し現実的に、奪うべきなのは“相手”ではなく、“自分の点数”だと思っています。

奪われるのは、たいてい、周りの受験生ではなく、焦りです。
焦りに時間を奪われる。ミスに心を奪われる。隣の音や雰囲気に集中を奪われる。
この“奪われ方”が一番もったいない。

今日の「奪う/奪われる」

  • 奪う:取れる問題で確実に点を取る/時間配分を守る/立て直す
  • 奪われる:焦りに時間を持っていかれる/難問で溶かす/1ミスを引きずる

競争を意識するとは、気持ちを荒くすることではありません。むしろ逆です。
静かに、割り切って、やるべきことだけをやる。これが“強さ”です。

もし今、緊張で苦しいなら、こう考えてください。
緊張しているのは、あなたが真剣だからです。
真剣に準備してきた人ほど、今日の一発が重い。だから怖い。
その怖さは、逃げる理由ではなく、努力の証拠です。

小さな私的な話(呉で教えていて思うこと)

私は呉で家庭教師をしていて、この時期になると、毎年ふと同じ場面を思い出します。
授業の帰り道、冬の空気が妙に澄んでいて、手がかじかむのに頭だけは冴えている感じ。
「明日が本番です」と言ったとき、生徒の返事が妙に短かったり、逆にやけに饒舌だったりする。
あの“揺れ”を見ていると、受験はやっぱり、人の心ごと切り取る行事なんだなと思います。

だからこそ、今日のあなたには、点数以上に大事なことをひとつだけ伝えたい。
あなたは、ここまで積み上げてきたということです。
その積み上げが、今日の一枚に全部写り切らなかったとしても、あなたの中から消えるわけではありません。

最後に:今日やることはシンプルでいい

まとめます。今日のメッセージは2つです。

  • 受験人生のベストショットを。準備はあなたを守る。揺らぎはあっても立て直せる。
  • 未来は奪うか、奪われるか。奪うべきは自分の点数。焦りに奪われない。

あとは、目の前の問題を、いつも通りに一つずつ。
終わった科目は引きずらない。次の科目に切り替える。
これだけで十分です。

受験生のみなさんが、今日、あなたなりの“ベストショット”を撮れることを願っています。
いってらっしゃい。

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