国語長文の授業例|記述・随筆読解

今回は、国語長文教材『国語長文難関徹底攻略30選』に収録されている、 増田れい子「心のコートを脱ぎ捨てて」を扱った授業内容を紹介します。

この授業では、国語の問題をその場の感覚だけで解くのではなく、 「本文のどこを根拠にするか」と「どのような型で答案をまとめるか」 に分けて考えました。

情景と心情を説明する60字記述と、 「花・地雷・憲法・平和」というキーワードを用いた150字記述を通して、 仮説・答案の型・対比・随筆の展開を整理しています。

家庭教師の白井の国語指導全体については、 国語の読解・記述カリキュラム もあわせてご覧ください。

※本記事では教材本文そのものは掲載せず、授業で行った読解方法と記述答案の作り方を紹介しています。

一 前提 国語は「仮説」を立てて解いて検証する

① 根拠

本文での根拠は何か?

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② 型

それをどういう型でまとめるか?

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考えるときの原則

※考える根拠は、本文と問題文から

※但し、事前に準備できることはできるだけやっておく。

例えば、次のことは予め知っておくべきである。

  1. 心情説明では、ア)心情の根拠と、イ)心情語の両方に触れること。
  2. 比喩は、具体化して答えること。
  3. 短歌は、五七五に切り、句切れも考えたうえで、表現を普通の口語に直したうえで、意味を考えること。

本文・問題文から根拠を探す → 使える型に入れる → 答案を検証する

※ほかにも、「これは、別の文章でも使えるな」と思ったアイディアや型はできるだけストックしておくと、本番のランダム要素が減る。

この考え方について詳しくは、 国語と再現性:感覚科目を“再現できる作業”に変える方法 でも説明しています。

二 本文読解&設問解説

問二 情景と心情を説明する問題(60文字)

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情景

(昼も)夜も緑色に輝くプラタナスの木々が見える初夏の情景

心情

(そういう情景から)夏の訪れによって活気づく人々や生命の躍動を実感して、喜んでいる。

記述の型

型=(A)情景から、 (B) (C

A=情景説明、B=心情の根拠の説明、C=心情語

あてはめ・答案例

昼も夜も緑色に輝くプラタナスの木々が見える初夏の情景から、夏の訪れによって活気づく人々や生命の躍動を実感して喜んでいる。

(60文字)

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問九 キーワード(花、地雷、憲法、平和)を用いて筆者の思いを説明する。

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キーワードの説明

平和の象徴ともいえるが、実際には花の下には地雷原がある地域もあった。

地雷

争い、死の象徴である。

憲法

日本国憲法を指している。ここでは、とくに「平和主義」が重要。

平和

筆者は、世界中をあまねく平和にできたらと思っている。

記述の型

日本の平和憲法は、()一方で、 現実の世界は()である。 そのため、私たちは()という思い。

A=平和憲法の理想、B=争いの絶えない現実、C=筆者の望む未来

平和憲法の理想・花
平和、美しさ、望む未来
争いの絶えない現実・地雷
争い、死、現在の世界
答案例

日本の平和憲法の趣旨は、世界中で起こる争いに異を唱え、平和を実現しようというものである一方で、現実の世界は花の下に地雷原があるなど、争いの絶えない状態であるので、私たちは平和憲法の趣旨を生かして、世界の人々が地雷を恐れるのではなく、花の美しさを喜ぶことのできる平和な世界を築いていくべきだという思い。

(150文字)

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三 補足

① 「開いた文章」と「閉じた文章」

本文の随筆は、AといえばB、BといえばC、CといえばDというように、どんどんアイディアが広がっていく随想型の文章である。これは、最初に問題提起をしたうえで「一つはAで、二つはBで、三つはCで、このように…」という、説明文とはタイプが異なる。いうなれば、前者は「開いた文章」で後者は「閉じた文章」であるので、両方になれるといいだろう。

開いた文章

AといえばB、BといえばCというように、連想や体験が次々に広がっていく文章。

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閉じた文章

最初に問題を示し、複数の理由や具体例を整理しながら、結論へ収束していく文章。

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② 記述答案では「対比」を意識する

問九の150字の記述では、対比を重視して書いた。例えば、平和憲法の趣旨と争いの絶えない現実世界は、対比されているし、ほかには平和の象徴(のはず)の花と、争いの象徴である地雷も対比されている。もちろん、すべての文章に対比があるわけではないので、絶対ではないが、本文の読解において「どこかに対比はないか」という問題意識をもって進めることには、普遍性があるといえるため新たな文章の読解や記述で試してみるとよいだろう。

ほかの文章にも持ち運べる問い

「本文の中に、理想と現実、過去と現在、表面と本質、肯定と否定などの対比はないか?」

まとめ:記述問題を「偶然」から「再現できる作業」へ

今回の授業では、記述問題に対して、最初から完成した答えを思いつこうとするのではなく、 次の順序で考えました。

  1. 本文と問題文から、答案に必要な根拠を探す。
  2. 情景・心情・理想・現実など、情報の役割を分ける。
  3. 設問に合った型へ入れて、答案を作る。
  4. 字数やキーワードを確認し、答案を検証する。
  5. 別の文章にも使えそうな型や読み方をストックする。

国語では、本文の内容が変われば、当然、答えも変わります。 しかし、根拠の探し方や答案を組み立てる手順は、別の文章でも繰り返し使えます。

このように、文章ごとの内容を丁寧に読みながら、 同時に「次の文章にも使える考え方」を残していくことが、 国語の読解・記述を安定させる一つの方法だと考えています。

呉市で国語の読解・記述にお悩みの方へ

家庭教師の白井では、答えを一方的に教えるだけではなく、 本文のどこを根拠にするか、どのような型で書くかを、 生徒さんと一緒に確認しながら指導しています。

「本文は読んでいるのに、記述問題で何を書けばよいか分からない」
「国語の答えが、その日の感覚によって変わってしまう」

そのような場合には、読解と記述の手順を一つずつ整理していきます。

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