呉三津田高校の大学進学傾向と公立入試状況
呉三津田の進学実績(特に広島大学)、公立高校入試の倍率、広島県入試の近年の傾向を、公式資料ベースで整理します。
呉三津田の大学進学傾向
呉三津田高校は、卒業生の約半数が国公立大学へ進学する呉市内伝統の進学校です。
とりわけ広島大学への合格者数は、呉市内の高校としては群を抜いており、毎年20~30名前後合格し、年度による大きなブレはありません。
これは、広島大が三津田生にとって「現実的な第一志望」になりやすいことを示しています。
注意(重要)
ただし、呉三津田に合格=広島大へも合格確実と思い込むのは危険です。
呉三津田の定員は200名(令和5年度までは240名)ですが、その中で広島大またはより難易度の高い国公立大学に合格できた人は、令和7年度大学入試では45名(うち現役40名)でした(広島大+岡山大+旧帝大+神戸大)。
つまり、呉三津田内でもできるだけ上位に入らなければ、広島大合格は難しいことを意味しています。
また、広島大のほか中国地方内で合格者数の多い大学を見てみますと、
山口大(令和7年度は13名合格、過年度含む、以下同じ)、愛媛大(13名合格)、県立広島大(11名)などがあり、
呉三津田生にとってこれらの大学への関心が高いことがうかがえます。
このように、国公立大学合格者数が毎年安定して高い(令和7年度は67.3%と平成28年度以降最も高い値となりました)ため、
将来的に国公立大学への進学を希望する中学生にとって、有力な選択肢となりうる公立高校だといえます。
呉三津田の公立高校入試状況①
このように、広島大を中心に安定した合格実績をもつ呉三津田高校ですが、
近年は公立高校入試において定員割れ(倍率1倍未満)が続いています。
例えば、令和7年度入試における受験倍率は0.88倍(175/200)、令和6年度入試も0.87倍(173/200)でした。
令和5年度→令和6年度で、入学定員を240名→200名に削減しても定員割れとなっていることや、
呉市内の他の公立高校を見ると必ずしも定員割れしているわけではない(令和7年度入試では広0.97倍、呉宮原1.13倍、呉市立呉1.18倍でした)こと、
また呉三津田の立地条件もJR呉駅近郊と良好であることなどを考えると、
呉三津田そのものへの人気がそれほど高まっていないことを示しているかもしれません。
ここは誤解しやすいポイント
「倍率が低い=入りやすい」だけで安易に第一志望にするのはおすすめしません。
呉三津田は、
①入学後の学習の難易度やスピードが速い
②課題(宿題・週末課題・小テスト対策)が多い
③大学受験前提の空気が強い
などの特徴があります。高校選びでは、生の情報収集が欠かせません。
- 実際にオープンスクールや説明会に参加する
- きょうだい・先輩など関係者の話を聞く
呉三津田の公立高校入試状況②
呉三津田高校に入学するには、広島県公立高校入試の一次選抜に合格する必要があります。
※二次選抜という制度もありますが、令和7年度の呉三津田高校においては、定員27名のところ受験者は0名であるなど受験者数は僅少であるため、ここでは割愛します。
一次選抜の配点には、各高校が配点を決められる「特色枠」と広島県内共通の「一般枠」の2種類があります。
呉三津田の場合、定員200名のうち半数(50%)にあたる100名が特色枠で選抜されたのち、残り100名が一般枠によって選抜されます。
令和8年度入試における呉三津田高校の各枠における配点は、下記の通りとなっています。
出典について:
広島県教委の公式HP「令和8年度広島県公立高等学校入学者選抜の実施内容」を基に作成しています。正確なデータは必ず公式サイトをご確認ください。
| 学力検査 | 調査書 | 自己表現 | ※傾斜配点 | |
|---|---|---|---|---|
| 特色枠 | 400点 | 400点 | 200点 | なし |
| 一般枠 | 600点 | 200点 | 200点 | なし |
この表からわかることは、次の通りです。
- 特色枠においては、調査書の比重が重め(全体の40%)。中学校での成績(調査書)を重く見ている。
- 一般枠においては、学力検査の比重が大変重い(全体の60%)。当日の試験における学力を重く見ている。
- 特色枠/一般枠ともに傾斜配点がないため、理社や実技科目も含めて満遍なく勉強している受験生が評価されやすい。
広島県の公立高校入試について(簡易版)
各科目の詳細については、後日別記事にてまとめる予定です。ここでは大つかみの概要のみご案内します。
- 令和7年度の入試は令和6年度の入試と比べて平均点が5点(50点満点)低下しました。
とりわけ国語は、令和6年度は最も平均点が高かった(29.5点/50点満点)のに対し、令和7年度は平均点が大幅に低下(-8.1点)して21.4点/50点満点となっています。
原因としては、記述を求める設問の増加、および記述量そのものの増加(ともに前年度比)に対して、受験生がうまく対応できなかった(記述できなかった、時間が足りなくなった)ことなどが考えられます。 - 科目ごとの得点分布(広島県教委公式HPの「一般学力検査の結果の概要」を参照)をみると、科目ごとに分布の仕方が大きく異なります。
例えば国語は平均点付近に集中し、高得点/低得点ともに少ない一方で、英語は0点~50点まで比較的なだらかな分布となり、得点格差が大きいことを示しています。 - 県教委の指摘によれば、5教科に共通する課題として「課題解決の場面で、文章・資料等から読み取るなどして得た情報を、既習の知識や学習内容等と関連付けて考察して、自分の考えをもったり判断したりし、その過程や結果を表現することが十分にできていない」ことが挙げられます。
これは、基礎基本を普段の学習で定着させるとともに、それを入試問題演習で応用できるまで高める練習が必要であることを意味します。
その他情報
中国新聞など一部の報道によれば、県教委は県内の公立高校の統合を検討しており、その中に呉三津田と呉宮原を統合する案があるようです。
ただし、早くても2029年以降ということや、まだ案の段階であり実際どうなるかは今後議論が詰められると思われるため、
現時点では状況の観察が必要そうです。
2025年12月現在:学年別の目安
- 現在の中2以上:卒業年度までは統合はないため、そこまで気にしなくてもOK。
- 現在の小5~中1:入試のタイミングでは統合はないが、在学中に統合の可能性があるため、入試が近づいたら学校や県教委のアナウンスに要注意。
- 現在の小4以下:入試時に統合が行われている可能性あり。ただし入試はだいぶ先なので、今は情報に注意しておくだけでOK。